サクライロノセカイ/リリカルなのはなお話

えびえもん兼いかじゅんのブログです。リリカルなのはの二次創作などを書いています。

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魔法少女リリカルなのは とある魔法使いと烈火の騎士のお話 プロローグ


出逢いは平凡。けど、その後は決して平凡な物ではない。

よくある出逢い。でも、出逢い人物は普通ではない。

これは物語。繰り返す、始まりと終わり、そして始まりと繰り返す一つの物語。

――一人の魔法使いと、本来の道を歩む烈火の騎士が出逢ってしまう、始まりの物語。

まだ熱さが本格的に残る、8月下旬の街。田舎過ぎず都会過ぎず、海と山近くにあり空気も澄んで綺麗な街、海鳴。

ミンミンと鳴り響く蝉の鳴き声を聞き流し、麦わら帽子を被った一人の少年が、ポツリと思った。

(さくらさん……まだかなぁ)

麦わら帽子からは長い金色の髪を覗かせ、その容姿は女優ですら素足で逃げ出す程に美しい――男なのだが。

そんな彼が、公園のベンチでボーっと待っているのは彼女……などではなく、立派な彼の保護者となっている人物である。いつもは時間には間に合わせる人なのだが、今日は珍しく遅れるとの知らせをさっき携帯で受け取った。

だから、涼しい場所で待っていれば良いのだがそんな気分ではなく、かといってただ待つのも――

(……かったるい)

という訳である。噴水があり、美しい草木があり、騒がしい子供の遊び声も聞こえる。だが、飽きる物は飽きるのだ、仕方がない。だが、動くのもかったるい。かったるい星人、ここに極りである。

とはいえ、本当にすることが無いのは困った物だとは思う。はてさて、どうしたものかと思ったその時――一陣の風が吹いた。

それは突然で、無意識に手で麦わら帽子を押さえる前に、麦わら帽子は空へと舞い上がり彼の芸術的なまでの容姿が露になる。しかし、注目されるのは慣れた物なのか、視線を特に気にも止めずに麦わら帽子の行方を追いかけ――一人の女性が、流される帽子を手に取った。

偶然か必然か、運命の悪戯か、麦わら帽子を手に取った桜色の髪をポニーテールに括った、凛々しい女性はゆっくりと彼へと近づき、彼の容姿を気にもせずに麦わら帽子を突き付け、言った。

「…………お前のか?」

――瞬間、会話は完全に途切れたと言っていい。いやそりゃあ、麦わら帽子が飛んだところを見ていてわざわざキャッチしてくれたのだろうから、彼女は彼が帽子の持ち主だと解っている筈だ。

なのに、わざわざ持ち主か聞くだろうか普通? 持ち主が解っていて聞くのは天然か……不器用な人かどっちかだろう。おそらく、彼女は後者に当たる。

その凛々しい容姿に反して、不器用とは何かおかしく思い、彼は思わず吹き出しで笑ってしまった。

「な、なんだ突然?」

「いえ、何でもないです。ありがとうございます」

しっかりお辞儀をし、彼は麦わら帽子を受け取る。彼女も、何やら釈然としない様子だったが普通に帽子を渡してくれた。

――珍しくて、そして面白い人だ。なにが珍しいかは、彼にしか解らない。しかし、初対面で面白い人というのは失礼な気がする、と麦わら帽子を被りながら彼はクスリと小さく笑った。

だが、いくら大きくない街と言えど、偶然会うなど二度はないだろう。それに、遠目から待っていた人が走ってくるのが見える。

お別れ――けど、その前に“かったるい”気まぐれを起こして見るのも、たまには良いかもしれない。そう思い、彼女の瞳を見つめたまま、彼は言った。

「紅(くれない) 刹那(せつな)です。私の名前……ついでに、こんなのでも男なので」

「刹那……か。私はシグナムだ」

普通の人は驚く筈の後半の告白をあっさりとスルーしながら、彼女は……シグナムは平然と自分の名前を言う。不器用かと思えば、突然のことにも軽く対応する器用な面もあるらしい。

やはり、面白いと思いながら、刹那は地面の置いてあったバイオリンケースを持ち、シグナムとのすれ違い様に口を開いた。

「じゃあ“また”――シグナム」

それは何故か、本人も解らぬ程に確信を込めた言葉だった。離れて行く二人の距離……だが、それでも何故か確信があった。

「お待たせ刹那くん……って、何かあったの? なんか嬉しそうだけど」

1分もしない内に現れたのは、小学生くらいの可憐な少女。金色の髪をツーサイドアップに括り、碧い瞳は見る物の視線を釘付けにする程に澄んでいる。

一般から見れば、彼らは姉妹になるのだろうが、全く違う。刹那が“弟”で彼女が“姉”である。

はて? と彼が上機嫌なのを不思議に思い、唇に人差し指を当てる彼女に、彼は微笑んだ。

「――まぁ、たまにはかったるい事をするのも悪くないって、思っただけです」

その笑みを見て、さらに先ほど何やら話している様に見えた刹那とシグナムの光景を思い出し、彼女はははーんっとニヤリと笑いからかう様に言った。

「……一目惚れでもした?」

「――ばっ!! 姉さん何言ってるんですか!? なんでそんな……か、かったるいことを……」

「ちなみに、刹那くんがボクを姉さんって呼んでくれる時は大体図星で、『かったるい』を言い淀む時は、嬉しい時か恥ずかしい時だよねぇ」

全て正確に言い当てられ、真っ赤に染まった顔を隠す様に麦わら帽子をさらに深く被り、刹那はずかずかと歩き出した。

「行きますよ!! かったるいんですよ私は!!」

「はいはい。急がない急がない」

そうして、二人の魔法使いは公園から姿を消す。

そう――これが始まり。よくある平然な熱い夏の、よくありそうな出逢い。

そんな時に始まった――歪んだ物語の一つだ。



















────────────────────

え?なんでこんな話を書いたかだって?いやその……ツイッターでいろいろありました(((

てな訳で、このお話はもともと自分の初期作品を今リメイクしたらどうなるかって感じです。だからこそ、自分の作品にしては珍しい普通のシグナムが出てます。

ま、それでも原型を留めて無いうえに、もう一人の芳乃さくらこそ『桜の魔法使い』も普通に出てますけどねww

多分、しばらくは刹那とシグナムとさくらしか出てこないかもしれませんねー。まぁさっさと原作に入る可能性もなきにしもあらず(笑)

それではまぁ、このお話に次回があればまた。感想等々もお待ちしています。次回をお楽しみに!!
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  1. 2013/02/20(水) 03:26:27|
  2. 魔法少女リリカルなのはA's
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

リメイクですか。

どの様な話になるのか楽しみにしています!
  1. 2013/02/20(水) 06:50:50 |
  2. URL |
  3. フルカスタム #G7LvmW4Y
  4. [ 編集 ]

>フルカスタムさん

まぁリメイクと言っても原型ないですがww

続くかも解りませんが、頑張ります!

感想ありがとうございましたm(__)m
  1. 2013/03/21(木) 23:23:57 |
  2. URL |
  3. いかじゅん #3/2tU3w2
  4. [ 編集 ]

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