サクライロノセカイ/リリカルなのはなお話

えびえもん兼いかじゅんのブログです。リリカルなのはの二次創作などを書いています。

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魔法少女リリカルなのは 烈火の翼 バレンタイン記念小説『なのはの最悪のバレンタイン』前編


ゆっくり、ゆっくりと空間が構築されていく。そこで、女性は目を覚ました。

(夢の中で、目を覚ましたってのもおかしい気がするけど……ね)

あぁ、もうこの感覚は解る。間違いなく“人の夢の中”だ。珍しく、自分の記憶が“再生”されなかったと思えばこれだ。

(これ、安眠妨害で訴えられないかしら?)

いや、その場合はプライバシーの侵害とやらで自分が訴えられてしまうのだろうか?と自分の能力に対して、非常に他人事の様に考える女性、高町なのは。

『他人の夢を見る』。この能力こそ、出来損ないの魔法使いである彼女が唯一持っている魔法にして、唯一制御できない魔法。

他人の夢ほど自分勝手な物もなく、他人の夢ほど見せられて暇な物はない、とこの能力を持って実感したなのは。

――さて、本日は誰の夢なのか……と、浮遊感のある身体で視線を巡らせて、

(……私?)

気付く。目の前に広がる光景は、見慣れた自分の故郷……そして、視線の先にいたのは――自分だったのだから。正確には、今の彼女より身長は遥かに低く、学生服を身に纏い、友人達と話をしながら通学しているという、今の彼女からすれば遠過ぎる“普通”の日常風景。

(って事は、この夢は私の知ってる人の夢か)

父か母か、兄か姉か、はたまた友人か。誰かは知らないが、随分とまぁ酔狂な夢を見ているなとは思う。

そうして、誰の夢かと思考を巡らせているうちに――彼女の意識は、現実世界へと回帰した。












魔法少女リリカルなのは 烈火の翼 バレンタイン記念小説『なのはの最悪のバレンタイン』













◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「師匠、どうしたんですか? なんか考え込んでるみたいですけど……」

「なんでもないわフェイトちゃん。それと、師匠は止めなさいと何回言えば解るのかしら?」

あはは、すいませんと直す気が全くないフェイトを見て、一つため息を吐いて喫茶店の飲み物に口をつけるなのは。

彼女達にしては、珍しく二人揃った休日。なので、取り敢えず喫茶店で時間を潰してみたが……やはり、なのはの頭に浮かぶのは今日見た夢の内容ばかりだった。

誰があんな夢を見たのか、謎は深まるばかり……可能性としては、フェイトが見たとも考えられるのだが。

「ど、どうかしましたか師匠?」

「いや、立派に育ってくれておねーさんは嬉しいな。って思っただけよ?」

「そう思うなら、その全く笑ってない表情止めてくれません!?」

――無駄なところ(胸)ばかり育ちおって……と、極めて個人的な事情になってしまうので、考えるだけ無駄な様である。

そういえば、と彼女がガラスから外を見ると妙に女性達が浮き足だってるな、と先程から思っていた。そうして、彼女にしては珍しく今さらながらに気が付いた。

「そういえば、明日ってバレンタインだったっけ?」

「わ、忘れてたんですか? ユーノには……」

「何でユーノくんが出てくるのか知らないけど、互いに仕事入ってるんだから会う訳ないでしょ」

断言した途端、フェイトがガックリとうなだれた事に何故かイラッとするなのは。

何だか、みんな誤解している。なのはがユーノに持っているのか、個人的な興味のみだ。決して、皆が期待している様な物ではないと断言できる。

その“興味”という感情を理解しきれていないのは、彼女自身であると本人はまだ気が付いていない様だが。

――ユーノからの着信を携帯が示したのは、その時だった。

「ユーノくんから……?」

何だろう、彼は今日も仕事の筈だが……と、何やら期待した表情のフェイトの頭にチョップを入れて黙らせ、なのはは携帯の着信に出た。

『な、なのはさん!! 司書長が……司書長がぁ!!!!』

――ユーノからの着信なのに、聞こえてきたのは無限書庫の司書の声だった。なのはともよく話す、人当たりの良い司書の一人だ。

そんな司書が、ユーノの携帯を使ってなのはに切羽詰まった声で連絡を取る……なのはならば、異常があったのだと理解するのに一秒もかからなかった。

「――すぐに行きます。事情は移動しながらでお願いします」

すぐに立ち上がり、喫茶店の会計を手に走り出すなのは。彼女の表情を見たフェイトが、異常があったのだと理解し彼女に続く。

目指すは、ユーノ・スクライアが司書長を勤める『無限書庫』――どうやら、バレンタインの様に甘い1日にならないのは確かな様である。














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「なんですか……あれ?」

フェイトが茫然自失と呟いた場所は、時空管理局が誇る情報機関『無限書庫』

その名の通り、無限とも思える本が収められているのだが……その空中で、真っ黒い巨大な“卵”の様な物が浮いていた。さらには、無重力空間である筈の無限書庫に、何故か重力が存在しており、フェイトと司書、そしてなのはは設置されている柱の上でそれを見下ろしていた。

ポツリ、卵を見たなのはが呟く。

「ロストロギア『ユメミノタマゴ』……また、面倒なのが出たものね」

「な、なんですかそれ……」

「発動時、捕えた対象を夢の中に強引に引きずり込み、その人が持ってるうちに秘めた“願望”や“願い”を見せて、永遠の眠りにつかせるロストロギア。相手の欲求を満たすだけあって、脱出できた例はなし。さらに、時間が経てば対象を完全に吸収し転移してジ・エンドってね」

極めてふざけた様子で答えるなのはだが、その目は全く笑っていない。今までの事例が確かなら、残された時間は少ない上に取り込まれたユーノは助からない可能性の方が……。

瞳を閉じて、また開くなのは。見据える先は、ユーノを助ける道のみだ。

「時間がありません。なんでこうなったかは後回しで、私が今すぐ突入して――無限書庫司書長・ユーノ・スクライアを救出します」

「で、出来るんですか!?」

「と、言うより、私にしか出来ないでしょう」

司書の驚きにも淡々と答え、突入準備の為にエクスシアの翼を展開して飛び立とうとするなのは。

正確には、彼女の構築体(マテリアル)であるシュテルも同じく強引に突入可能なのだろうが。今彼女を待っている時間は残念ながら無い。

「フェイトちゃんはこのまま待機。自己の判断で行動しなさい。ただし、攻撃したりしないこと」

「な、なら私も――」

「言ったでしょ。これは“私しか突入出来ない”のよ」

誰もが突入できるならば、助けられた事例くらいある筈だ。だが、それが無いのだから普通の人間は突入出来ない。本来は、彼女とて例外ではない。

――身体の半分以上がデータで構築されている、なんてふざけた身体でなければ。

「あと一時間もしないうちに突入できなくなって、ランダムに転移して誰かの手に渡ります。その前に、ユーノ・スクライア司書長を救出して――ユメミノタマゴを中から破壊します」

時間がない、その言葉通りになのはは機械的な翼を羽ばたかせ、一気にユメミノタマゴへ突撃する。

後ろからフェイトの「師匠!!」と叫ぶ声を聞き流し、ユメミノタマゴに触れ――己の身体を操り、中へ強制的に入り込んだ。

――どうやら、人生最悪のバレンタインになりそうだ、と思いながら、出来損ないの魔法使いは夢の中へと侵入する。

歪んだ物語が、また加速した。














────────────────────

なんで前編なのかって?書き始めたのがほんの二時間前で、これ絶対間に合わんだろって思ったから先に上げただけですよ(←ダメ人間)

てな訳で、バレンタイン記念小説……バレンタイン関係なくねな話になりました(←バカ)

お話はなのは、そして前編では名前だけ出てきたユーノがメインになります。ぶっちゃけ、書きたい話が全部後編に回ってしまったというね()

まあ、最初の夢の話も伏線とし、ロストロギアの中に突入したなのはを後編では描きたいと思います。そしてユーノと……?

では、感想等々もお待ちしています。次回をお楽しみに!!
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  1. 2013/02/14(木) 16:47:19|
  2. 烈火の翼
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

バレンタインにユーノの夢……

なのはには結構意外(?)なモノになりそうですねw
  1. 2013/02/14(木) 19:50:43 |
  2. URL |
  3. フルカスタム #G7LvmW4Y
  4. [ 編集 ]

>フルカスタムさん

感想ありがとうございます!!

まぁいろいろな要素が交ざり合うので、意外な物になるのは確かですねww

次回をお楽しみに!!
  1. 2013/02/18(月) 03:25:16 |
  2. URL |
  3. いかじゅん#4444 #3/2tU3w2
  4. [ 編集 ]

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