サクライロノセカイ/リリカルなのはなお話

えびえもん兼いかじゅんのブログです。リリカルなのはの二次創作などを書いています。

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正月記念短編小説『運命共同体』

1月1日、元日。世間一般的にはお正月である。子供はお年玉を貰い、大人はいろいろと忙しい日なのである。

そんな中、元日の八神家にて、本来いる筈のない人物がそこでお節料理をせっせせっせと用意していた。金色の髪をなびかせ、なんで私はここにいるんだろうなぁ、なんて表情をしながら、ふと呟いた。

「……かったるいなぁ」

――いつもの、スペックと顔に似合わぬ口癖を。その呟きに反応したのは、彼にいつも付き添う栗色髪の女性……シュテルだった。

「そんな事を言わずに……せっかく誘ってもらったのですから」

「誰も誘って欲しい、なんて頼んでませんよ」

「あの……やっぱり迷惑でした?」

そんな彼の素っ気ない返答に、車椅子に乗ったままおずおずと言う、この家の主、八神はやてだ。その後ろには、彼の――紅 刹那の反応が気に入らないのだろう、やけに不機嫌な少女、ヴォルケンリッターのヴィータもいる。

特に取り繕う訳でもない刹那に変わり、シュテルが車椅子に乗ったはやてに目線を合わせ言う。

「いえいえ、師匠はこんな反応ですが、内心ではとても嬉しいのですよ」

「シュテル、勝手に私の内心を想像しない」

「ふんっ、気に入らないなら帰ればいいだろ!!」

刹那の反応がさらに気に入らなかったのか、思わず叫んだヴィータをはやてが叱り付ける――より早く、サクサクと刹那はリビングの扉へと向かいさっさとドアノブに手を掛けた。

「っ、師匠!!」

「この家の方が出ていけ、と言っているんです。私は帰りますよ」

何も、出ていけと言っている訳ではないのだが……そんな事を知ったことではないとばかりに、彼は扉を開き――瞬間、固まった。

「……お前、なんで帰ろうとしてるんだ?」

「――シュテル?」

名前を呼んでバッと振り向いた刹那に対し、シュテルも流石の反応で素早く目線を逸らした。

刹那の目の前に都合よく現れたのは、桜色の髪をポニーテールに括った不思議な雰囲気を持つ女性。それはそうだ、彼女は『魔法使い』なのだから。

烈火の魔法使い――芳乃シグナム。

「な・ん・で、貴方様がここにいらっしゃるのでしょうか?」

「なぜ不機嫌になる……シュテルに呼ばれたんだ。そのうち姉さんや主達も来る」

シグナムがそう言った瞬間、再び刹那がシュテルを睨むが、やはりシュテルは素早くスルー。そういう所は、実はオリジナルより優秀だったりするシュテルである。

ちなみに、かったるいかったるい言っていた刹那をこの場に連れてきたのもシュテルだったりする。あんまりにも素っ気ない刹那に業を煮やして、なんとか頑張って連れて来たのだ。

――まぁ、彼の過去を考えれば人に素っ気なくなっているのは、仕方のない話なのかもしれないが。だが、そんな彼をあっさりと動かすことが出来るのが、烈火の魔法使い、芳乃シグナムなのである。

「ほら、せっかく誘ってもらったのだから、何か話してから帰っても損はないだろう?」

「まったく、少しだけですよ」

このように、である。シグナムに先ほどのシュテルと同じ言葉を言われ、そさくさと戻って来た刹那にはやてとヴィータは顔を合わせて驚き、はやては思わず刹那に問い掛けた。

「せ、刹那さんって……魔法使いさんに何かあるんですか?」

「何かって言われても……うーん、無理やり私の命を拾った人?」

「無理やりとはなんだ、無理やりとは」

驚くはやてとヴィータに、そういえば大半の人間には説明していなかったなと思い、これも何かの縁だと気紛れに刹那は話し始めた。

「無理やりでしょう、確実に。人が親切に放置しても大丈夫だって言ってるのに、無理やり人のこと止めようとして……」

「人の目の前で勝手に消えようとするからだ。大体、最初に折れたのはお前だろう。文句を言うな」

「そりゃあそうですけど……あんな無茶されたら、折れるしかないでしょう――まぁですから、私はこの人に従うんですよ。この人が無理やり拾った命、責任を取ってもらわなきゃ困ります……だから、私はこの人が奴隷になれと言ったらなるし、何処かへ着いてこいと言ったら着いて行きますよ」

後半からの言葉は、恐らくはやて達に向けた言葉なのだろう。そしてヴィータとはやては、顔を合わせてまったく同じ事を思った。

((……無自覚?))

無自覚、なのだろう。でなければ、こんな平然と恥ずかしいことを言える筈がない。その無自覚が何なのか、とは敢えて言わないが。

そして刹那の言葉を聞いたシグナムは、困ったように笑みを浮かべて彼に問い掛けた。

「お前、それではもう私がいなくなったらどうする気だ」

「私を拾った貴方がいなくなるんです。何処へなりとも消えますよ。私は貴方の物なんですから」

「ならば、その表現は少し違うな。お前と私は――運命共同体だ。お前を助けたことが私の責任になるのなら、安心しろ、しっかりと背負ってお前と同じ運命を見つめてやる」

「……ふーん、物好きな人ですね、本当に」

シグナムの表現は、刹那には若干恥ずかしかったのか微かに顔が赤い。だが、それでもシグナムは平然としていた。

今度はシュテルも交ざり、確信しながら三人は思った。

(無自覚……やね)
(無自覚……だな)
(無自覚……ですね)

――近いのに遠い距離。変に察しがいいのに、鈍感。本当に、本当に摩訶不思議な関係の二人がどうなるかは……誰にも分からない。

ただ、三人は漠然と……上手く行けばいいなぁ、と願うのであった。













────────────────────

ぎ、ギリギリセーフだよねって何度目かのフライング記念短編を上げてみた。

ちなみに、一時間で書いたのでめちゃくちゃ荒削りです(笑)感想等々もお待ちしてますー
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  1. 2013/01/01(火) 23:55:27|
  2. 小ネタ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

無自覚やなぁw本当に無自覚やぁw

しかしシュテルがこんな所でも活躍しているとはw
  1. 2013/01/02(水) 00:38:59 |
  2. URL |
  3. フルカスタム #G7LvmW4Y
  4. [ 編集 ]

>フルカスタムさん

感想ありがとうございます!!

無自覚ザ無自覚コンビな二人ですww シュテルの補佐技術はオリジナルより実は上だったり……(笑)
  1. 2013/01/06(日) 02:53:45 |
  2. URL |
  3. いかじゅん #3/2tU3w2
  4. [ 編集 ]

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