サクライロノセカイ/リリカルなのはなお話

えびえもん兼いかじゅんのブログです。リリカルなのはの二次創作などを書いています。

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魔法少女リリカルなのは 烈火の翼 第2話

今さらながら言いますが、この小説はBLEACHとのクロス要素を含んでいます。ただ、一部BLEACHのキャラや武器を出してBLEACHの設定に改変要素を加えているだけです。そういう物が苦手な方は閲覧をオススメ出来ません。

では、第2話をどうぞ。








────────────────────

その日、様々な人間の運命を歪める21の宝石が……海鳴に降り注いだ。

運命をねじ曲げられた者は、果たして幸せなのだろうか? それは、その者にしか分からないだろう。もしくは、同じ願いを持った者にしか。

だが、確かに幻想(ねがい)の宝石はこの町に降り注ぐ。まるで、それが必然とでも言うかのように。

「くそっ……ま、だだ……」

そしてここにも、己の運命をねじ曲げられた人間がいた。いや、この出来事も必然なのかもしれない。
彼が――ユーノ・スクライアが、自身のボロボロな体に鞭を打ち、霞む視界をはっきりさせる。彼の目の前には異形の姿をした者……例えて見るならば、毛玉の化け物だろうか?

それに向かって、少年は術式を組み上げていき、魔法陣を展開して封印を開始する。翠の帯が化け物に絡み付いていく――しかし彼の努力も虚しく、化け物は帯を引きちぎり何処かへ消えてしまった。

「うわっ!?」

同時に、その余波を受けたユーノが吹き飛ばされ、何度か転がったところで漸く止まった。

だが、その姿は誰がどう見ても満身創痍。動く事などできないだろう。が、それでもユーノは必死に体を動かそうとする。

(ダメ……だ。今、アレを逃がすわけに……は……)

そんなユーノの願いも、今の彼の体では叶えてくれない。その意識が途絶える直前、彼の体は光に包まれ、その光が収まると彼の姿はフェレットの様な動物に変化した。
恐らく無意識下だったのだろう。次の瞬間、彼の意識は途切れた。

……そんな彼に誰が近づいて来る。まだあどけない少女で、己の金髪の髪をツインテールに括っている。

少女は小動物の状態の彼を、ゆっくり優しくその胸に抱き上げる。

「フェイト、ごめん! アイツ予想以上にすばしっこくて……ん? なんだい、そいつは?」

「この子……今は動物の姿だけど、危険な状態だからこうなってるんだと思う。治療できる? アルフ」

「まぁ、できるけどさ……」

目的の物をほったらかして、いきなりこんなんで良いのかねぇ……。と、フェイトと呼ばれた少女の使い魔、アルフは考えたが、こういうところが自分の主の良いところだね、と思って目的の物を後回しに傷ついた彼の治療を開始した。

――歪んだ運命の中で、少女と少年は……こうして出会った。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

空き地などが多い、人気の無い場所。そこに異形の何かが降り立った。

その異形は、ユーノが封印し損ねた毛玉の化け物。そいつは、まだ暴れ足りない、とばかりに標的を探して視線を彷徨わせる。

「…………!?」

――しかし、それも終わりが来た。毛玉の化け物の体に、桜色をした三本の熱線が次々に突き刺さり、その巨体を揺るがせる。

さらに先ほどより大きい、止めと言わんばかりの赤い帯状の熱線が二本、化け物に直撃。巨体が音を立てて地面に倒れ込んだ。

そして、何処から投げられたカードが巨体に突き刺さり……そのカードに吸い込まれていく。

それが起こったのとほぼ同時に、化け物の近くに誰が降り立つ。
機械的な蒼い翼から粒子を撒き散らし、少女が地面に着地するのを見計らったかのように、化け物を完全に吸い込んだカードが少女の手に宙を舞いながら戻り、少女がそれを掴み取った。

「シリアルⅩⅩⅠ……か」

掴んだカードの中身を見て、少女がそう呟く。カードの中には蒼い宝石が描かれ、それは完全に封印されているらしい。

少女は腰のカードホルスターにそれをしまい、展開していた蒼い翼と武装を解除して――高町なのははその場を立ち去った。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

朝早く、高町家の道場ではいつも鍛練が行われている。だが、それが例外的に行われない日がある。

およそ三ヶ月前……そう、シグナムがヒナの下に現れた時からだ。以前からヒナは高町家に泊りにくることがあったが、シグナムが現れてからは当然ながら彼女も、自身の主であるヒナについて来る。

事の始まりは、最初に泊りに来た時に高町家の道場をシグナムが見た事からだ。道場を見た彼女が、ここを使わせて欲しい……と士郎たちに言い、それを士郎たちも快く了承した。

最初は、士郎たちも近くで鍛練していたが――すぐに止めた。これは邪魔をしてはいけない……と、彼らも感じとったのかもしれない。

そのシグナムは今、道場で座禅を組んでいた。服装は……何故か巫女服。まぁ理由は――単純に、彼女の主(ヒナギク)の趣味である。なに、気にすることは無い。だって本人も気にしてないし、寧ろ気に入ってそうだし。

さて、話を戻す。巫女服で座禅を組むシグナムの膝の上には、一本の長刀が置かれている。
長さは、日本刀より少し長い程度。色は全てが白に彩られ、卍型の鍔、柄頭には途切れた鎖……など、明らかに普通の刀とは違うと解るそれに、シグナムは全神経を集中――延いては心を刀一つに絞る。

シグナムがこの状態になって――実に二時間になる。その影響なのか、それともこの状態になると常なのか、彼女の周りの空間はどこか近寄り難い……言うなれば彼女の空間が出来上がっていた。

この状態でいる意味は2つある。一つは……この刀に必要な物、集中力や精神力を鍛える為。

もう一つは――刀との対話の為だ。

前者はシグナムは最初、何をいまさら……と思ったが、やって見て解る。これは思っている以上に、キツい。だが、そこは剣の騎士。三ヶ月間で、今の様に優に二時間はこの状態を保っていられるようになった。

後者に関しては、どうやらシグナムは一度も対話に入れてすらいないようだ。まぁ、これはしょうがない。

そもそも、裏月が再現した物とはいえ、オリジナルと対等な刀だ。

恐らくこの刀を受け継ぐ家の現当主から言わせれば、たった三ヶ月でここまで出来る者はそういない、とでも言われるだろう。

そんなシグナムでさえ、まだ刀との対話に至れないのだから、どれほど難しい事かが解る。まぁ、単純にこの方法で鍛えたからといって、対話を行えるわけではないのだが。

――実際、シグナムの持つ刀がツンデレなので仕方がない。

それはさて置き、シグナムは閉じていた目をゆっくりと開き、今日はここまでにするか、と考えて自身の膝にある刀を手に取り立ち上がった。

と、それと殆ど同時に、道場の中に誰が入って来る。恐らく、シグナムがこの修行を終えたのが分かったのだろう。

「シグナムさん。朝ご飯、できましたよ~」

「ああ。……なのは、どうでも良いのだが、いつまで主にくっついているんだ?」

「別に私がくっついてるわけじゃないんですけど……っていうか、師匠が離してくれないんですよ」

まぁ楽な事は楽なんだけど、この状態だと朝の鍛練ができないんだよね~、となのはは心の中で付け加えた。

そんななのはの現在の状態は……寝呆け眼のヒナギクに胸の辺りで抱き抱えられてる。ぶっちゃけて言えば、人間抱き枕的な状態だ。
一応弁解をさせてもらうと、もともとヒナギクはそこまで朝は弱くない。寧ろ、かなり強い部類に入るだろう。

ただ、それが高町家での泊りになると話は別だ。泊りになると、ヒナギクとなのはは一緒に寝るのだが……なのはの抱き心地がいいのか単純に暖かいからなのかは不明だが、確実にヒナギクはなのはを抱きしめて寝る。

そして、なのはは起きてもそんな状態なので、仕方なく寝呆けたヒナギクに指示を出してなのはは動く訳である。

以上が、シグナムとヒナギクが高町家に泊りに来た時、朝に起こる現象なのである。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

さて、高町なのはは一応、というか“自称”平凡な小学三年生である。まぁ成績優秀スポーツ万能、おまけ(?)に魔法まで使える時点で説得力は皆無に等しいのだが、気にしてはいけない。

そんな“自称”平凡な小学生、高町なのはの登校手段は距離の問題もありバスだ。で、そのバスで彼女のほぼ定位置となっているのが、一番後ろの席の右端だ。

今日もいつも通りこの場所を陣取り、目を閉じた。もちろん、これは睡眠をとるためではない。

――システム、脳とのリンク完了。指定項目とデバイス名を、どうぞ。

――指定項目は戦闘シミュレーション。デバイス名……ん?

ふと、なのはは閉じていた目を開き、横を見る。すると、そこには見知った顔の少女が一人……いや、ついでにもう一人いた。

「おはよう、なのはちゃん。もしかして起こしちゃったかな?」

「ううん。別に寝てなかったから。おはよう、月村さん」

「ちゃんとすずか!! 何でそんな奴に話し掛けてんのよっ!!」
「バニングスさん? そんなにバカみたいに叫ぶと、もっとバカになるよ」

「誰の所為だと思ってんのよーーーーー!!!!」

……バカの部分は否定しないんだ。

さてさて、別に説明の必要はないと思うが一応。なのはに好意的に話し掛けてきたのは、月村すずか。なのはに突っ掛かってきた方が、アリサ・バニングスである。

この二人となのはの関係を表すと、すずかが普通の友達。アリサが腐れ縁と言った感じか。

すずかが、時間が合えば彼女から話し掛ける様な関係。アリサは……まぁ見ての通り、アリサが突っ掛かって、なのはが偶に毒を吐きながらからかったりスルーしたりする関係だ。

二人が座った後も、なのはとアリサはすずかを挟む形で口論(アリサが一方的に)繰り広げている。ここまでは偶に起こる日常――だが、そこにいつもとは違う事柄が入り込んだ。

突然、なのはの首に掛かった蒼白い宝石がキラリと光った。それを見たなのはは……いきなりサボり確定かぁ、と隣にいるすずかにこそこそ~っと何かを伝え、すずかもそれを了承した。

一体何を伝えたのか、それが分かったのは朝のホームルームで行われる出席確認の時だった。

「高町~。ん? 高町はどうした?」

「先生~。なのはちゃんは、口から血を吐いた人の看病に行きました~」

「そうか。なら仕方ないな」

この瞬間、すずかと教師を除いてクラス全員がずっこけたのは、言うまでもない。

まぁ、ある意味なのはが教師に信頼されている証なのだが。

その頃、なのはは町の神社に来ていた。その手には、なのはが封印した物と同じ八面体の青い結晶がある。さぼった理由は、これを自分のデバイスが感知したからだ。

サボりの言い訳は……うん、別に嘘はついてない。だって前にあったし、これからもあるかもしれないから。

彼女がこの宝石――ジュエルシードを回収しているのには、ちょっとした訳があった。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ジュエルシード? それがこの町に落ちてきたんですか?」

「ああ。入ってきた情報だと、どうやら輸送中の事故らしい」

二日前……彼女のデバイスが何かを感知し、それを裏月に確かめてもらうと、どうやら彼も知っていたらしく軽く説明してくれた。

『ジュエルシード』。裏月が言うには、スクライアという民族が発掘した物なのだが、それが輸送中の事故で――何故かピンポイントで、この海鳴市に21個全てが落ちてきたらしい。

「なんか……この町、呪われてるんじゃないですか? 21個全部が落っこちてくるなんて」

「で、できれば否定したいところなんだがな。まぁ、そのうち管理局が回収に来るだろうが、流石にそれまでほっとく訳にもいかねぇ。とりあえず俺はこのまま情報を集めっから、お前は回収を頼めるか?」

「了解です」



と、いうわけで、こんな感じの理由でなのははジュエルシードの回収に勤しんでいる訳である。

自分の他にも、ヒナギクとシグナムに協力を頼む、という選択肢も有ったが……シグナムに話を通すだけにしておいた。ヒナギクに協力を申し出るなど、彼の事情を知っている人間からすれば論外と言わざるを得ない。

シグナムは、昼間などは近くの剣道場で講師をしているので、主に夜中に動いてくれる。

――今、シグナムさんがニートとか思ってた人、シグナムさんに「おっと、こんな所に練習台が」とか言われながら仮面を出されて斬られますよ?

なんとなく、なのはは誰かに向かって警告を出した。余談だが、近い将来紅の幼女……ではなく少女がこれに近い事を言い、なのはの警告に近い結果になるのだが、まぁ完全な余談である。

「さてと、ちゃちゃっと封印しますか」

「あの……」

「ふぇ?」

彼女がジュエルシードを封印しようと、カードを取り出そうとすると、誰がなのはに話し掛けてきた。突然の事にも反応したなのはが、取り出そうとしていたカードをポケットの中にしまい込み、そして声のした方を向く。

そこにいたのは、自身の師匠に似た金髪の髪をツインテールで括り、歳は自分と同じくらいだろうか? そんな少女の視線の先は……自分の持つ青い宝石。

「すいません。それを渡してくれませんか?」

「……あなた、これが何なのか、知っているの?」

なのはの問いに少女――フェイトはコクリ、と頷いた。それが示す答えは、少女もなのはと同じ“魔導師”なのだろう。

さて困った。自分が魔導師とばれるのは、出来るだけ避けたい。だが、少女がなぜジュエルシードを集めるのか、興味があるのも事実だ。

となれば……ちょっとした交換条件といきますか。

「う~ん、上げても良いけど……変わりに名前、教えてくれない?」

「名前……?」

「うん。そしたら、この宝石を上げる」

「――フェイト。私はフェイト・テスタロッサ」

少女はなのはの条件に一瞬迷ったが、それは本当に一瞬。なのはに少女は自身の名前をためらいなく教えた。

そんなフェイトに、なのははささっと近づき――その手にジュエルシードをギュッ、と握らせた。

なのはの行動にフェイトは、まさにポカン、といった表情になる。まさか、なのはが本当に渡してくれるとは思っていなかったのだろう。

「え?」

「はい。名前、教えてくれたでしょ? じゃあ、縁があればまた――フェイトちゃん」

こうして、不屈の少女と雷光の少女は出会った。

幻想(願い)の宝石が創りだす、歪んだ運命は……なのはやシグナム、裏月すら巻き込み――加速していく。

この物語は、一体どこに向かうのか――それはまだ、誰にもわからないのかもしれない。
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  1. 2012/03/17(土) 21:15:19|
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