サクライロノセカイ/リリカルなのはなお話

えびえもん兼いかじゅんのブログです。リリカルなのはの二次創作などを書いています。

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魔法少女リリカルなのは 烈火の翼 第12話

地球、海鳴町。幻想‐願い‐の宝石が降り注いだ町は、とりあえずは平和になった。それは、一時的なのかもしれないし、一部の場所だけなのかもしれない。

高町家、朝6時のリビング。そこのテレビからアナウンサーの声が響く。

『3月生まれの貴方!! 気になる人の好感度を上げる為には、髪型を変えると良いでしょう!!』

その瞬間、自身の妹の耳がピクン、と動くのを高町恭也は見た。

朝7時、なぜか高町家に住んでいる少年、ユーノ・スクライアは寝ぼけ眼で高町なのはを見て、何だか違和感を感じた。何か昨日までの彼女と違う気がする……と、ユーノはまじまじ少女を見て、漸く気が付いた。

「なのは、もしかして髪型変えた?」

「まぁね。変かな?」

そう、彼女の髪型だ。今までの様なめんどくささそうに止めていた短いツインテールでは無く、布とリボンでちょこんっと小さく丁寧に左右で止められた、いわゆるお団子頭な髪型。

そして、何時もと変わらぬ表情で言うなのはに対して、ユーノは慌てて言葉を否定した。

「ううん! 凄く似合ってるよ!!」

「そう……良かった」

ユーノの言葉にほんの少しだけ笑みを浮かべたなのはだったが、素早く彼の隣を通り過ぎて何処かへ行ってしまう。恐らく、仕事でもあるのだろうが、何で彼女が髪型を変えたかまだ幼いユーノにはさっぱりだった。

「ふーん……珍しい事もあるんやね」

「わぁっ!? ちょ、ちょっとギンさん! いきなり後ろに立たないでくださいよ!!」

で、そんな惚けるユーノの後ろに相変わらず神出鬼没なギンが独り言の様に呟いた。一体、何が珍しいのだろうか。そうユーノは思い彼に訊こうとしたが、その前にギンが彼の肩にポンっと手を置き、そして――

「キミ、今から乙女心を学ばんと、将来苦労するかもなぁ」

「はい?」

言うなり、ギンはなのはの後を追うように何処かに行ってしまうが、残されたユーノは頭に疑問を浮かべるばかり。

……因みに、彼の勘は近いうちに的中することになったりする。主ともども、本当に勘が良いギンであった。

それと、なぜユーノが高町家に絶賛居候しているかと言うと、行くとこ無いなら来れば? となのはが半ば強引に連れてきたからだ。

余談だが、1人分の生活費を余裕に賄える金額が高町家にいつの間にか振込まれており、それを桃子が知った時になのはと桃子の視線だけの激闘が繰り広げられたのだが……まぁ残りの面々がまた始まった、という感じの表情をしていたので問題ないだろう、多分。

「うにゃあ……」

所変わってヒナギクの家。お茶を飲みながら猫の様な声を出すのは、金髪のツーサイドアップの髪にサファイアブルーの瞳。

本人は否定するだろうが、何処からどう見ても小学生にしか見えない少女、さくらだ。

今はそれを気にした様子も無く、自分以外は誰もいない家で寛いでいる。

ヒナギクは買い物、シグナムは裏月が呼び出しているので、彼女が自然と家でお留守番、みたいな感じになるのだ。

そんな全力で寛ぐさくらを呼ぶ様に、家のチャイムがピンポーンという音を鳴らす。無論、家への来客を示す音だ。多分宅配か何かだろう。そう結論付けたさくらは、返事をしながら玄関に向かい、鍵を開けて扉を開くと……そこにいたのは彼女が予想したものとは全く違う人物だった。

「……冬獅郎?」

「よう、さくら」

銀色の髪、少年の様な体型。しかし、とても少年とは思えない冷静さを持つ者、冬獅郎。そんな彼が、何とも言えない表情で家の玄関に立っていた。

「……何だこれは?」

唐突にそう呟く女性、シグナムの視線の先には純白の宝石がある。何だかんだで場所は裏月の家。何かの用事があったのか、シグナムはリビングで待たされていた。で、テーブルの上にポツンと置かれたその宝石に目が行ったという訳だが……人って、気になる物には触っちゃう人種です。まぁそんなこんなで、彼女はその宝石に触り――瞬間、光に包まれて消えた。

「ん? アイツどこ行った?」

数秒後、タッチの差で裏月がリビングに入って来た。その後ろには、居候中の斬月もいる。辺りを見舞わす裏月だが、当然シグナムはいない。そしてテーブルに置いてある宝石を見て……すごーく嫌な予感がした。

「おい斬月――」

「待たせていた者なら、先ほど気配が消えたぞ」

「気付いてたんなら言えよっ!?」

「なに、お前のイタズラかと思ってな」

「こんな面倒なイタズラするかっ!?」

ごもっともである。大体、裏月はそこまでイタズラ好きでは無い。ただ、そんな事より彼には気になる事があった。

「多分、あの宝石だろうが……何で発動したんだ? 完全にロックが掛かってるはずなんだが」

「恐らく、触れた拍子でロックが外れたのではないか?」

「……そうだとしたら、どんだけ運が悪いんだよアイツ」

完全に呆れた表情で呟く裏月だが、実は斬月の予想は当たっていたりする。ほんの触れた拍子、とんでもなく低い確率でしか外れないロックが外れたのだ。

――詰まる所、シグナムは自覚が無いが変なところで運が悪いらしい。

そんな事より、と斬月が前置き言って裏月に言葉を掛ける。

「彼女がどこに飛ばされたか、解るのか?」

「アレは俺の所縁のある場所に転移するから、多分――」

「教会……か?」

全く同じ時、飛ばされたシグナムが呟きながら見ていたのは、かなりの大きさを誇る教会。その庭の様な場所に、シグナムは飛ばされていた。

それにしても随分と大きいな……等とシグナムは冷静に考える。見知らぬ土地に飛ばされてこの思考……冷静なのかマイペースなのか、よく解らない。

「何者です!?」

「ん?」

とまぁ冷静に立ち尽くすシグナムだったが、急に足音と怒声が聞こえて其方に視線を向ける。

そこにはシスター服……いや、瞬間的に騎士甲冑になった少女がいた。なにやら妙に殺気だっており、何者だと訊いておきながらいきなり跳躍し、両手のトンファー(の様な物)をシグナムに向かって振るう。

かなり高速なフットワークだ。が、相手はまだ少女……シグナムにとっては幾ら速くとも捌くのは容易い。

素早く短刀を取り出し、振るわれたトンファーをあっさり弾きながら、一瞬にして天鎖斬月を解放して距離を取った。解放した時点で少女を斬ることは容易かったが、今のシグナムは戦闘をする事が目的では無いので、距離を取るという選択肢を彼女は選んだのだ。

攻撃をあっさり躱された少女は驚愕するが……シグナムの持つ刀を見て、その表情がさらに驚きに変わった。

「な、なぜ貴方がその刀を――って、待ちなさい!!」

「待てと言われて待つ者はいない」

先程も言ったように、今のシグナムの目的は戦闘ではない。そんなシグナムが少女の隙を見逃す筈も無く、定番のセリフを残して速攻で撤退する。

幾ら速かろうが、相手は『天鎖斬月』の所持者。魔導師が追い付け無いのが解っているのか、少女は諦めた表情で追い掛ける事をしなかった。

――それに、今この教会は緊急事態なのだ。

同時刻、再びヒナギクの家。突然の訪問にも、さくらは冬獅郎を家に招き入れてお茶まで出していた。
まぁ、二人からすれば当然だったりするのだが。そして、お茶を出したさくらが、何かを思い付いた顔で冬獅郎に言う。

「ねぇ冬獅郎、何か食べたい物ある?」

「甘納豆」

「うにゃあ……ボク、果物しか出せないって、冬獅郎は知ってるよね?」

「冗談だ。リンゴで良いよ」

笑みを浮かべて言う冬獅郎に、さくらは笑顔で頷き、そして手をギュッと握り、頭の中にリンゴのイメージを浮かべて……手をパッと開く。

すると、ポンっという音が付きそうな感じで、何とリンゴが突然出現した。さくらはそのリンゴを冬獅郎に渡し、彼も大して驚く様子も無くリンゴを受け取り、食べ始めた。

「しっかし、相変わらず変わった『魔法』だよな。手から果物が出せるって」

「ボクに言われても困るんだけどね……だってこれ、おばあちゃんがくれた魔法だもん。それに、自分のカロリー消費するから、ボクが使っても意味ないし。まぁそんな事より、冬獅郎はボクに何か用なの?」

さくらの言葉に、冬獅郎は目的を半分忘れていたのか、ああそうだったな、と言いながらさくらを真剣に見て――

「頼むさくら。この家に住まわせてくれ」

笑顔のさくら固まる一言を言ってのける。固まったさくらは、次の瞬間誰もが驚く勢いでイチゴの様に真っ赤になった。

冬獅郎はどこに赤くなる要素があるのか、と思ったが……敢えて言おう、端折り過ぎであると。


「は……にゃふぇ。そ、それは、と、遠回しな、ぷ、ぷぷぷろぽーずなのかな、とーしろう?」

「…………あ」

漸く自分が言った言葉を理解したのか、彼にしては珍しく間抜けな声を出す。

――この後、彼がさくらの誤解を解くのに苦労したのは、言う迄も無い。

またまた同時刻、絶賛赤面中のさくらの主、ヒナギクもまた(?)変な事態に巻き込まれ様としていた。

「もう!! 私は帰る気は無いって言ってるでしょっ!?」

「そ、それでは困るのです、お嬢様っ!!」

……ヒナギクの近くで、何故か雪華と老人が口論を繰り広げていた。ヒナギクの頭に、雪華を街で見かけるとトラブルしか無いのかなぁ……という、強ち否定できない考えが浮かぶ。

そんな事を考えていると、偶然ヒナギクを見つけた雪華が……全力疾走で走って来て、ヒナギクの手を掴んで何かを訊く暇すら与えず再び全力で老人の元に戻る。

「ゆ、雪華ちゃん!?」

「お嬢様、その方は?」

流石のヒナギクでも何が何だか解らず困惑する中、雪華は老人の質問に躊躇い無く口を開いた。

「この男の子は――」

雪華の言葉を途中まで聞いて、ヒナギクの聡明な頭が激しい警告音を鳴らし始める。なんかいろいろマズい、と。

しかし、根っからのお人好し、それがヒナギクだ。そんな彼が知り合いの人間、それも女の子の腕を振り払える筈がなかった。

まぁアレだ。幾ら平和でも――

「私の……恋人よっ!!」

――やっぱり、トラブルはいつでもやって来るんじゃないのかなぁ。

「う~ん……」

「どうしたん?」

「いや、なんか皆そろってトラブルになってそうだなぁ、って」

「キミの勘は、ホントよく当たりそうやから、怖いわぁ」

何やかんやで同時刻、なのはとギンがこんな会話をしていたりする。そんな彼らの目指す場所は、先程シグナムがいた――聖王教会。

一見バラバラなトラブル達……実は一部繋がっていたりする。異世界、ミッドチルダでは裏月と斬月とシグナム、なのはとギン。

そして地球では冬獅郎とさくら、ヒナギクと雪華。

それぞれの場所で何処か繋がったこのお話しは、もう少しで繋がるところは繋がるのだろう。

まぁ何が言いたいかと言えば――平和の次には、次のトラブルが付き物なのかもしれない。
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  1. 2012/03/23(金) 20:56:49|
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